戦略は正しいのに、なぜ成果が実現しないのか?

※2026年6月19日に初の著書「なぜ戦略は正しいのに成果があがらないのか?」(日本実業出版社)が発売されます。本書を執筆するために考えた、問題意識やその解決策について、10回程度の記事で、簡単にご紹介します。

 正しい戦略を立てているのに、なぜ成果が出ないのか?

多くの経営者が、この課題に直面しています。そして、その理由を実行力に求める。誰もが一度はそう考えます。しかし、実行力があがらない。オペレーション、組織、人材・・・と原因は様々考えられます。ただ、問題がありすぎてどこから手を付けてよいのかわからない。各機能に対する専門書やガイドはあふれています。しかし、実務で活用できる総合的なフレームワークは殆ど見かけません。

PDCAを極限まで高める組織づくり

私は、これまで25年以上に渡り、事業会社でマーケティングの責任者として、組織を作ったり、再構築したりしてきました。その経験を通じて確信していることは、企業がマーケティングで競争優位性を築くためには、単に最先端のマーケティングの知識を学び、実践するだけではダメだということです。

正しい戦略を作り、

それを落とし込むオペレーションを作る。

意思決定の基準を明確にする。

実行する組織と人材を整備する。

これらのどの一つの要素が欠けても、その業界でTopと胸を張れるマーケティング組織は出来ません。

 組織づくりの過程で、「実行力」を体系化するための一つの核として浮かび上がってきたのが「PDCA」です。多くのビジネスパーソンからすれば、PDCAなどあまりにありふれたビジネス用語です。目新しさはありません。しかし、私はビジネスパーソンとしての原点である楽天で、三木谷さんから「仮説→実行→検証→仕組化(=PDCA)」という概念・手法を叩きこまれました。25年間、自分のビジネス人生は、ひたすらにPDCAを繰り返してきた歴史です。PDCAこそが、組織の実行力の核となる概念であると確信しています。

徹底したDCAによる実行力の差別化

 では、実行力のある企業と、実行力のない企業をPDCAの観点で比較するとどこに違いがあるのか? 戦略が実現できず、成果があがらない企業のPDCAはどこに問題があるのか? 答えは、Pではなく、DCAにあるというのが本書の結論です。

 実行力に問題を抱える組織は、ほぼ例外なくDCAに問題を抱えています。P(戦略)には時間とコストをかけるのに、DCA(実行)は現場任せ。上手くいかなければ、担当者が悪い、部署の能力が足りないと人や組織を変える。それでもうまくいかなければ、戦略が悪かったと作り直す。戦略をひたすら見直し続ける無限ループには嵌っています。

DCAが弱い組織では、いくら戦略を作り変えても、その戦略は実現しません。正しい戦略を実現するためには、戦略を作る数倍、数十倍の力で、実行力を強化しなければなりません。

DCAに強い組織を作る方法は、とてもシンプルです。「PDCAを精度高く、高速回転させる」ことが、全てです。ポイントは「精度高く」と「高速回転」です。

 ただ、これまで多くの企業を見てきましたが、私が納得するレベルで「精度高く」と「高速回転」を実現できている組織は殆どありません。それは、企業の有名/無名、規模の大小など全く関係ありません。私の専門であるマーケティングに関して言えば、残念ながら、PDCAの精度と回転速度が実現している組織は、自分がマネジメントしている会社以外、数えるほどしか見たことがありません。

DCA型マーケティング組織

 理由は、その実現が、一朝一夕にできるものではないからです。戦略・オペレーション・データ基盤・組織、人材育成と組織を構築するあらゆる要素を、一貫性をもって、徹底的に磨き上げなければならないからです。

本書では、実行力が強い組織をDCA型組織とよび、その構築方法を、体系的に整理しました。題材としては、私の専門であるマーケティング、とくに、デジタル化されたマーケティングで説明します。しかし、DX化が進展するビジネス環境においては、マーケティングを、営業、人事、システム開発など、全く別のファンクションに置き換えても、多くの手法は転用可能なはずです。

  • 戦略を何度見直しても成果が出ない経営者
  • 現場の実行力に限界を感じているマーケティング責任者
  • デジタル時代の組織構築に悩む管理職

そのような方に読んでいただければ、必ずお役に立つ内容になっているのではと信じています。本Blogでは、内容の「さわり」を残り9回に分けて、ご紹介します。

  • タイトル :なぜ戦略は正しいのに成果があがらないのか?
  • サブタイトル:事業成長をリードするデジタルマーケティング・マネジメント
  • 著者 :堀内 公博
  • 出版社 :日本実業出版社
  • 書店リンク :Amazon楽天ブックス